本音の株式投資 人気ストラテジスト直伝 第5章
本音の株式投資 人気ストラテジスト直伝
第5章 投資の常識は本当か
レバレッジ型ETFの落とし穴① 2倍以上の値下がりも
- レバレッジ型ETFの値動きは日経平均の2倍
- 期間によって下落率が2倍を超える場合もあるし、上昇率が1.6倍に留まることもある
- ある程度期間を保有するとこのような現象になる
- レバレッジ型ETFは仕組み的に順張り戦略を機械的に実行しているだけ
- 「上がったら買う、下がったら売る」
- 株価が上がり続けるならいいけど、普通は上下を繰り返すので結果的に「下手な売買」になりがち
- レバレッジ型ETFは短期型。数週間以内に株価が上昇しそうになければ一旦売却し、株価が下がったところで再び買うなどの運用をした方がよい
- 「ずっと待っていればいづれ2倍儲かるだろう」は間違い。実際はずっと下手な売買を繰り返しているだけ。しかもその間手数料まで払っている
レバレッジ型ETFの落とし穴② 価格の乖離
- ETFは投資資金集中により募集を停止することがある
- 「一物二価」の特性がある
- ETFの流通量は変化する
- 価格調整が行なわれるので基準価格と市場価格は差が生じにくい
- 基準価格はファンドの純資産総額と受益権口数から一義的に決まるのに対して、市場価格は受賞で決まる。このせいで基準価格と市場価格で乖離が出ることがある
- 基準価格と市場価格の変化率の差によって本来もらえると想定した利益よりも少なくなってしまう
- 価格の乖離率が大きいほど高値づかみになるので要注意。現在はWeb上でリアルタイムに理論的な市場価格が公開されている。ETF購入前によく見ること。1%以上の乖離があると不自然に割高か割安となっている
「’買い時・売り時がすべてを決める」は本当か?
- 5年程度保有を10回ほど繰り返せばいつ買っても同じくらい儲かっていたし、損もしていた
- 積立制度を利用して日経平均連動型の投資信託を毎月一定額ずつ自動的に購入すれば年率20%以上の運用成績を実現出来ることになる
- うまく投資をすれば何倍にも増やせるのが株式投資だが、その逆のリスクもある。また精神的なストレスもある。それを考えると積立投資は初心者や社会人向けの有力な手段
自社株買いの賞味期限と投資のヒント
- アベノミクス以降自社株買いを行う企業が増えた
- コーポレートガバナンスや株主還元を強化する流れ
- 内部留保を溜め込む企業への批判
- 「伊藤レポート」などによるROE改善の要請
- 一般的に自社株買いを発表した企業の株価は上昇する
- 自社株買いを実施すると発行済株式数が減る。このため利益の総額が変わらなくても1株利益(EPS)が増えるので株式価値も高まる
- 利益が増えなくてもROEが改善する
- 自社株買いには季節性がある。4~6月が多額の自社株買い計画が設定される。3月の決算発表に合わせて自社株買い計画を公表する
- ただし財源の規制がある
- 自社株買いは1年を通して実施される
- 自社株買い計画を発表した時の額の自社株買いを行わない企業がある。そのような企業は懐疑的にならざるを得ない
- 速攻完結型の企業は自社株買い計画を発表した直後に買い終えるので、投資に活かすには難しい
- 現実的なのはじわじわタイプ
超高速取引(HFT)は悪者か
- HFTも意外と戦略は通常の投資家と同じ
- ただ、1回あたりの注文額を小さくしてその代わりに注文回数を増やしている
- 米国ではHfT業者を優遇している。米国では複数の取引所があり、売買量の大きいHFTの注文を呼び込みたい
- メイカー・テイカー・モデル。売買が成立した場合に、先に指値注文を出していた参加者(テイカー)に対して取引所がリベートを払う一方、後から当該指値注文に注文をぶつけてきた参加者(テイカー)から手数料を徴収するというもの
- メイカーからより多くの指値注文を集めて取引所の流動性を向上させることが目的。ただリベートを支払ってまで流動性を高めることには違和感がある
- HFTは取引を先回り出来るのであれば、取引所が加担していることになる。実際にあるHFT業者は取引がほぼ負けていないことで批判を受けていた
- 日本では取引所がほぼ東証しかないので、米国のようなことは起きない
読んでいる本
- 作者: 井出真吾
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2017/04/11
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