本音の株式投資 人気ストラテジスト直伝 終章
本音の株式投資 人気ストラテジスト直伝
終章 本音で語る世界経済の行く末
円安が進む? 円高に戻る?
- 今後の世界経済について
- トランプ氏当選直後は米国市場で金利と株価が上昇した。為替市場ではドル高・円安になり日経平均も大きく上昇した
- 日米金利差の拡大が原因。黒田総裁も金融緩和を継続すると表明。日本の金利は今後も0%に抑えられると予想。米国の金利が上昇して円安が進み、日本株にもプラスと考えられる。ただし、そう順調に進むとは考えにくい
- 一般的に日米金利差が拡大すると円安が進む。今後も米国の金利が上昇するかがカギ
- 名目金利=①期待実質経済成長率+②期待インフレ率+③リスクプレミアム
- ①は景気刺激策が実行されると米国内の消費や投資が増えて米国経済は活性化される
- ②は経済が活性化されるとモノやサービスの値段が上がりインフレ率が上がる
- ③はトランプ氏の政策から、1年間で財政赤字を2倍に膨らませる計算になる。リスクプレミアムが高くなる可能性がある
- 以上3つの項目を見ると、政策を実行しさえすれば成功・失敗どちらに転んでも名目金利は上昇するので円安が進むという考え
- 一方円高に進む考えもある。トランプ政権に対する期待の低下が原因
- インフラ投資はそこまで行われないという専門家の指摘。トランプ氏当選以降の金融市場は短期思考の投資家によって買われた面が大きい
- ①や②も下がり、財政リスクは緩和されると③はそれほど上昇しないだろう
米国の保護貿易主義も円高要因になりうる
- 米国経済を強くして国内の雇用を増やすことが大本命
- そのためには為替レートの水準や自動車などの貿易面で日本に圧力をかけてくる可能性は高い
- 1991年のように、金利差が拡大しても円高になることはある
- 市場が金利や金融政策よりも政治要因を重視すると、日米金利差と為替レートの関係が崩れることもある
- 米国は保護主義を掲げている。日本とって逆風だろうか?
- 「米国でモノを売りたければ米国内で作れ。さもないと関税をかける」
- 「効率化」と「コストダウン」は日本の得意とするところ。中長期的には日本企業にチャンスになるはず
最悪シナリオは円の独歩高
- 世界的に経済不確実性が高まっている
- 欧州での政治不安が高まる可能性がある。2016年のブレグジット、トランプ氏の大統領当選に続けて、欧州で反グローバル化などのポピュリズム(大衆迎合主義)がさらに高まることが心配されている
- 中東・南シナ海の地政学リスクもある。トランプ大統領がイスラム圏の7カ国からの入国を規制するようにし、中東の地政学リスクが増した
- もし中東情勢が一触即発となれば原油価格が急騰して正解経済に打撃となる
- 米中関係も気がかり。もし南沙諸島で米中が武力衝突するようになると地理的にも近い日本に悪影響
- 日本は経済的に安定しているので経済不確実性は高くない
- これまでもリスクオフの局面では円が買われてきた
- そうなると円の独歩高という最悪のシナリオに。1ドル100円割れ、円高による日本経済の業績悪化、日経平均の落ち込み
- 中国リスクはそこまで心配していない。経済規模が大きくなったのだから成長ペースが鈍るのも当然
- 中国は「中国製造2025」を掲げている。中国の製造業を量から質に、10年後に日本・ドイツ並を目指す
終わりに
- 著名ストラテジスト「株式投資において何より大事なのは、市場から退場しないこと」
- 長く市場に居続け投資を継続するために本書が役に立てば
- 「ROEの本当の意味」「外国人が勝った株の本当の姿」などは時間が経っても変わらぬ心理
読んでいる本
- 作者: 井出真吾
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2017/04/11
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