勉強メモ

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株で勝つ! 会社四季報超活用法 第4章

株で勝つ! 会社四季報超活用法

第4章 儲かっている会社はどう探す?

01 損益計算書のツボを押さえよう

  • 貸借対照表は期末時点の財産の状況、つまりストック
  • 損益計算書は当期の期初から期末までの営業成績を示す。1年間の営業成績
  • 経営者は株主から預かった財産である自己資本を1年間の純利益を通じ、どれだけ増やすことが出来たかで評価される
  • 【業績】欄は売上高、営業利益、経常利益、純利益、1株益、1株配で成り立つ
  • 決算期の後に「予」がついているのは『四季報』による業績予想
  • 利益も大事だが、売上高は大事。売上高なくして利益なし
  • 営業利益、経常利益、純利益がある
  • 売上高 - 売上原価 = 売上順利益
  • 売上順利益 - 販売費・一般管理費 = 営業利益
  • 営業利益 + 営業外利益 - 営業外費用 = 経常利益
  • 経常利益 + 特別利益 - 特別損失 - 法人税など = 純利益
  • 純利益は貸借対照表損益計算書を繋ぐ仲介役

02 営業利益は会社の真の実力を示す

  • 営業利益は本業の儲け
  • 売上総利益では、在庫、減価償却費、研究開発費などに注意。売上総利益は上がっているようだが、その在庫は将来売れるのかチェックする必要がある
  • キャッシュフロー表を見れば実際の現金の資金繰りを確認出来る
  • 減価償却費も重要。工場の建物や機械などへの設備投資は、減価償却費としてその利用年数に従って費用計上する
  • 製造原価に占める減価償却費の割合が高いと、投資がまだ売上高に結びついていない時期は収益が悪化しやすいが、費用計上期間が終わると、営業利益が急回復する例も見られる
  • 研究開発費が膨らんでもその分売上総利益は下がるが、翌期以降の「種まき」と捉えることもできる
  • また、販売費・一般管理費には宣伝費なども含まれているため、これらを削ると一時的には営業利益は押し上げられても、将来の売上高が伸び悩む可能性もある

03 経常利益でグループ全体の実力を知る

  • 経常利益は本業以外の収入や損失を表す
  • 自社ビルを持っていて空きスペースを貸し出した時の利益など
  • 連結決算では、子会社は原則全て連結され、売上高、営業利益から上乗せになる。一方関連会社は持分法により連結される

04 自己資本の増加に直結する純利益

  • 純利益はその年度に会社の手元に残った利益
  • 純利益は経常利益に特別損益を加えて税引前当期利益を計上し、さらに税負担などの影響を加味して計上する
  • 特別損益は臨時収入。減損処理費用も加わる
  • 減損会計は、会社が貸借対照表に計上する資産は将来の収益に役立つから存在していると考え、資産価格は資産が将来生み出す収益を反映して算出する
  • もし利益を生み出す力がなくなってしまったら、貸借対照表上の資産価格も減額しなければならないと考えるのが減損処理
  • 企業買収に伴って発生するのれんも同様。企業買収の際に設定される買収価格にはこののれんが含まれており、のれん分は買収後20年以内に販管費で償却される
  • ここから税金が引かれて純利益になる。だいたい40%は税金として引かれるので残るのは60%
  • この関係に当てはまらない場合がある。代表例が税効果会計
  • 税効果会計財務会計上の利益計算と財務会計上の所得計算のズレを調整するための処理
  • 純利益は内部留保になる。それは自己資本、すなわち株主の財産を増やし、会社の基礎体力を強固にする
  • 純利益を発行済み株式数で割った、1株当たり利益(EPS)。EPSは高いほど株式数のわりに高い利益を出していることになる
  • 株価÷1株利益(PER)。PERは1株利益に対する現在の株価の割合を表す。高いほど、1株利益に対して株価が高いことになるので割高、低いほど1株利益に対して株価は低いことになるので割安

05 『四季報』では配当も独自予想

  • 配当は個人だけでなく、機関投資家を含め、中長期保有の投資家が重視する指標
  • よほど成長期待の高い会社でなければ、無配が続くと予想される会社はファンドなどには組み込まれない
  • 会社の成長初期には配当に回すより投資に回したほうがよいと判断されるが、安定期に入れば配当政策を変えていく
  • 配当は、会社の成長段階についての経営者の意思を確認する指標と言える

06 IFRSについても知っておこう

  • 会計基準で投資家の評価が変わる
  • 上場している会社は、会計基準と呼ばれるルールに基づき会計処理や決算情報の開示を行う
  • 日本会計基準米国会計基準(SEC基準)、国財財務報告基準(IFRS)の3種類がある
  • 会計基準によって業績や財務内容が大きく変わるので注意が必要
  • SEC基準には日本基準と違って経常損益の概念がない。『四季報』では税引前利益を掲載している
  • 世界的にIFESが存在感を増している
  • 世界標準になりつつあり、強制適用ではない国は米国や日本、インド、中国など限られた国になりつつある
  • 東証時価総額の10%台後半はIFRS
  • IFRSを適用すると国際比較が容易になる
  • IFRSでは在庫リスクや価格変動リスクを負わない代理人取引については手数料部分のみ収益認識する。そのため商社は収益が急減する。ただ営業利益率は大きく改善する
  • またのれん償却をしない。M&Aに積極的な企業はIFRSに移行する例が多い
  • 日本版IFRSもある。修正国際基準(JMIS)。IFRSにスムーズに以降出来るために用意したもの

07 よい見出しと悪い見出しの見分け方

  • 四季報』で最も注目されるのは業績予想だが、その根拠を簡潔に説明するのが「業績欄」

08 「業績欄」で質のチェックを忘れずに!

  • 単に増益といってもどの事業で増益なのかによる。主要セグメントでない場合は一過性で終わってしまうなど
  • 売上総利益の段階で赤字の会社があれば相当深刻
  • 営業利益が赤字も深刻。稼ぐ力がなくなっている
  • 営業利益は黒字で経常利益が赤字であれば、営業外費用が重荷になっている
  • 赤字が全て悪いわけではない。純利益が赤字の場合、過去の膿を一気に出したのであれば将来はプラスになるかも
  • 含み損を抱えた土地や投資有価証券を売却して売却損を出した場合などは将来の損失要因を早めに出したと言える
  • より吟味するために見るのが「業績欄」

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