株で勝つ! 会社四季報超活用法 第5章
株で勝つ! 会社四季報超活用法
第5章 将来性のある会社はどう探す?
01 「材料欄」で成長力を先読みする
- 「材料欄」に企業の中長期で影響を及ぼすポイントを書いている
- 上場企業の多くは2〜5年の中期経営計画を公表する。しかし努力目標のものも多いため注意が必要
- M&Aにも注目
02 「材料欄」はこの表現に注目!
- 「材料欄」には大きな見出しを掲載している。【新分野】など。プラス影響のある見出しに注目
- 冷静な分析も行っている。リスク情報をチェックすること
- リスク情報の記載された株式への投資はおすすめしない。短期のサヤ取り狙いの買いが多く、マネーゲーム的色彩が強まっているため
03 長期投資なら、この数字に注目!
- 【指標等】に設備投資について記載している
- 減価償却とは資産の取得原価を耐用年数にわたり一定の方法で配分し、費用化したもの
- 方法は2種類。定額法と定率法。定率法は投資した当初の償却額が大きく出て、中盤以降は負担が少ない。現状は定額法が主流
- 攻める会社は設備投資が減価償却を上回る
- 業種によっても重要度が異なるので注意。小売業などは研究開発費はほぼゼロ
04 増資で大切なのは資金の使い道
- 増資は資本金を増加させること。新株発行を伴う
- 目的は2つ。旺盛な資金需要を外部調達でまかなうため。純資産の増加や負債の返済のため
- 新株発行によって株式需要の悪化、1株利益の希薄化を招く。そのため株価は下落することがある
- どのような目的で増資するのかに注目
05 キャッシュフローを読みこなす
- 会社が計上した利益と実際に獲得したお金は一致しない
- 第一に会計上の損益認識とお金の出入りが同一でない。売上高は計上したものの、代金は入金されていないなど
- 第二に入金が実現したがそのお金を他の固定資産に投資している場合
- 第三に利益と関係なくお金が増減するケース。返済するとお金は減少する、など
- お金の出入りは非常に重要。利益が出ていても資金繰りが逼迫していると危険
- CFはBS、PLと合わせて財務3表と呼ばれる。この三表は貸借対照表を中心に説明出来る
- 貸借対照表に記載される自己資本はその年度の純利益だけ増加する。その純利益がどう生み出されたかを表すのが損益計算書
- 貸借対照表の左上に記載される現預金だが、その増減を説明するのがキャッシュフロー計算書
- キャッシュフロー計算書は3種類ある。営業CF、投資CF、財務CF
- 【キャッシュフロー】欄に記載している
- 営業CFは本業の営業活動を通じて獲得したお金の増減。重要。プラスでないといけない。マイナスの企業は要注意
- 投資CFはお金を投資ににどのように使ったか、あるいは回収したかを表す
- 堅実な経営をする企業は投資CFを営業CF内に抑える
- 営業活動や投資活動の結果、お金の余剰や不足が出る。それを調整するのが財務CF。借入金を増やせば増えるし、返済すれば減る
- 3つのCFの組み合わせを見て企業を見分けることが大事
06 会社再編の動きに注意する
- 株数の動きは【資本異動】に記載
- 会社が株数を増減させる方法はさまざま。資金調達目的は第三者割当増資
- 不特定多数の投資家に対して時価で新株を発行する増資が公募増資
- 優先株式を発行する会社もある。会社の業績が悪化しても普通株は無配となるが、優先株は配当を受け取ることが出来る
- 反面、議決権などで制約を受けるケースが多く、経営不振に陥った際の資本増強策として実施されることも多いので注意
- 株式発行しなくても株数が増減することがある
- 1株当たりの株価を下げて流動性を高めるのが株式分割
- 自己株買いもある。自己株買いをして償却し株式を減らすと1株当たり利益を高める効果がある
- 合併や株式交換、株式移転など、会社再編に伴う株数の変化も記載
- 【業績】と【資本異動】を合わせて読むことが大事
- 【業績】では合併により売上高や利益が急拡大することがあるが、株数を同じだけ発行すると1株当たり利益はほとんど変わらない
読んでいる本
- 作者: 会社四季報編集部
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2015/06/12
- メディア: 単行本
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株で勝つ! 会社四季報超活用法 第4章
株で勝つ! 会社四季報超活用法
第4章 儲かっている会社はどう探す?
01 損益計算書のツボを押さえよう
- 貸借対照表は期末時点の財産の状況、つまりストック
- 損益計算書は当期の期初から期末までの営業成績を示す。1年間の営業成績
- 経営者は株主から預かった財産である自己資本を1年間の純利益を通じ、どれだけ増やすことが出来たかで評価される
- 【業績】欄は売上高、営業利益、経常利益、純利益、1株益、1株配で成り立つ
- 決算期の後に「予」がついているのは『四季報』による業績予想
- 利益も大事だが、売上高は大事。売上高なくして利益なし
- 営業利益、経常利益、純利益がある
- 売上高 - 売上原価 = 売上順利益
- 売上順利益 - 販売費・一般管理費 = 営業利益
- 営業利益 + 営業外利益 - 営業外費用 = 経常利益
- 経常利益 + 特別利益 - 特別損失 - 法人税など = 純利益
- 純利益は貸借対照表と損益計算書を繋ぐ仲介役
02 営業利益は会社の真の実力を示す
- 営業利益は本業の儲け
- 売上総利益では、在庫、減価償却費、研究開発費などに注意。売上総利益は上がっているようだが、その在庫は将来売れるのかチェックする必要がある
- キャッシュフロー表を見れば実際の現金の資金繰りを確認出来る
- 減価償却費も重要。工場の建物や機械などへの設備投資は、減価償却費としてその利用年数に従って費用計上する
- 製造原価に占める減価償却費の割合が高いと、投資がまだ売上高に結びついていない時期は収益が悪化しやすいが、費用計上期間が終わると、営業利益が急回復する例も見られる
- 研究開発費が膨らんでもその分売上総利益は下がるが、翌期以降の「種まき」と捉えることもできる
- また、販売費・一般管理費には宣伝費なども含まれているため、これらを削ると一時的には営業利益は押し上げられても、将来の売上高が伸び悩む可能性もある
03 経常利益でグループ全体の実力を知る
- 経常利益は本業以外の収入や損失を表す
- 自社ビルを持っていて空きスペースを貸し出した時の利益など
- 連結決算では、子会社は原則全て連結され、売上高、営業利益から上乗せになる。一方関連会社は持分法により連結される
04 自己資本の増加に直結する純利益
- 純利益はその年度に会社の手元に残った利益
- 純利益は経常利益に特別損益を加えて税引前当期利益を計上し、さらに税負担などの影響を加味して計上する
- 特別損益は臨時収入。減損処理費用も加わる
- 減損会計は、会社が貸借対照表に計上する資産は将来の収益に役立つから存在していると考え、資産価格は資産が将来生み出す収益を反映して算出する
- もし利益を生み出す力がなくなってしまったら、貸借対照表上の資産価格も減額しなければならないと考えるのが減損処理
- 企業買収に伴って発生するのれんも同様。企業買収の際に設定される買収価格にはこののれんが含まれており、のれん分は買収後20年以内に販管費で償却される
- ここから税金が引かれて純利益になる。だいたい40%は税金として引かれるので残るのは60%
- この関係に当てはまらない場合がある。代表例が税効果会計
- 税効果会計は財務会計上の利益計算と財務会計上の所得計算のズレを調整するための処理
- 純利益は内部留保になる。それは自己資本、すなわち株主の財産を増やし、会社の基礎体力を強固にする
- 純利益を発行済み株式数で割った、1株当たり利益(EPS)。EPSは高いほど株式数のわりに高い利益を出していることになる
- 株価÷1株利益(PER)。PERは1株利益に対する現在の株価の割合を表す。高いほど、1株利益に対して株価が高いことになるので割高、低いほど1株利益に対して株価は低いことになるので割安
05 『四季報』では配当も独自予想
- 配当は個人だけでなく、機関投資家を含め、中長期保有の投資家が重視する指標
- よほど成長期待の高い会社でなければ、無配が続くと予想される会社はファンドなどには組み込まれない
- 会社の成長初期には配当に回すより投資に回したほうがよいと判断されるが、安定期に入れば配当政策を変えていく
- 配当は、会社の成長段階についての経営者の意思を確認する指標と言える
06 IFRSについても知っておこう
- 会計基準で投資家の評価が変わる
- 上場している会社は、会計基準と呼ばれるルールに基づき会計処理や決算情報の開示を行う
- 日本会計基準、米国会計基準(SEC基準)、国財財務報告基準(IFRS)の3種類がある
- 会計基準によって業績や財務内容が大きく変わるので注意が必要
- SEC基準には日本基準と違って経常損益の概念がない。『四季報』では税引前利益を掲載している
- 世界的にIFESが存在感を増している
- 世界標準になりつつあり、強制適用ではない国は米国や日本、インド、中国など限られた国になりつつある
- 東証の時価総額の10%台後半はIFRS
- IFRSを適用すると国際比較が容易になる
- IFRSでは在庫リスクや価格変動リスクを負わない代理人取引については手数料部分のみ収益認識する。そのため商社は収益が急減する。ただ営業利益率は大きく改善する
- またのれん償却をしない。M&Aに積極的な企業はIFRSに移行する例が多い
- 日本版IFRSもある。修正国際基準(JMIS)。IFRSにスムーズに以降出来るために用意したもの
07 よい見出しと悪い見出しの見分け方
- 『四季報』で最も注目されるのは業績予想だが、その根拠を簡潔に説明するのが「業績欄」
08 「業績欄」で質のチェックを忘れずに!
- 単に増益といってもどの事業で増益なのかによる。主要セグメントでない場合は一過性で終わってしまうなど
- 売上総利益の段階で赤字の会社があれば相当深刻
- 営業利益が赤字も深刻。稼ぐ力がなくなっている
- 営業利益は黒字で経常利益が赤字であれば、営業外費用が重荷になっている
- 赤字が全て悪いわけではない。純利益が赤字の場合、過去の膿を一気に出したのであれば将来はプラスになるかも
- 含み損を抱えた土地や投資有価証券を売却して売却損を出した場合などは将来の損失要因を早めに出したと言える
- より吟味するために見るのが「業績欄」
読んでいる本
- 作者: 会社四季報編集部
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2015/06/12
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株で勝つ! 会社四季報超活用法 第3章
株で勝つ! 会社四季報超活用法
第3章 健全な会社はどう探す?
01 貸借対照表(BS)のここをチェック!
- 会社は「おカネを集めて」「投資して」「利益を上げる」という3つの構造で成り立っている
- 貸借対照表(BS)、損益計算書(PL)、キャッシュ・フロー計算書(CF)の財務3表をまとめる
- 1つ目と2つ目どうやってお金を集めて何に投資しているのかを表すのがBS
- 3つ目のどうやって利益を上げているのかを表すのがPL
- 一連の流れの中で現金がどう動いたかを表すのがCF
- 総資産は会社の持っている全財産
- 資本金は株主が会社に払い込んだお金
- 利益剰余金は会社が過去に上げた利益
- 有利子負債は借金
- 自己資本比率を見ると会社の安全性がわかる
- 資産と負債の考え方
- 自己資本は株主のお金
02 自己資本比率の増減には要注意
- 自己資本を増やす方法
- 純利益を積み上げる
- 株主から新たにお金を集める
- 増資をすると株数が増えるので、会社の価値が変わらない場合1株あたりの株価は下がる傾向にある
- 自己資本が減るケース
- BSの適切な価値を表すように時価評価主義になった
03 利益剰余金と債務超過
- 内部留保は利益剰余金のこと
- 株主が受け取る配当は利益剰余金から捻出される
- 赤字が続き利益剰余金がマイナスになり、さらに純資産そのものがマイナスになると債務超過と呼ばれる状態になる
- 債務超過になっても資金繰りが維持できる間は事業を継続することが出来るが、その状態が1年以上続くと上場廃止に追い込まれる
04 注意すべき営業CFの赤字と資金繰り
- PLは1年間の売上高や利益を表しているのに対し、CFは1年間のお金の動きを表している
- 商品やサービスが売れたからといって、お金がすぐに入ってくるわけではない
- 期間中のPLとCFをみる
- 資金繰りを知るのに最適なのはCF
- CFは3つに分かれる。本業の営業CF、有価証券などの売買で得られるお金を示す投資CF、銀行からの借入や返済、増資による資金調達、配当など財務政策で得られるお金を表す財務CF
- 最も重要なのは営業CF
- 売上高が伸びず、PLが赤字で、営業CFも赤字という会社は資金の流出が続き、大変危険な状態。ただし営業CFが黒字でも会社は潰れることはある
- CFの動向だけでなく、有利子負債は適正な水準か、本業でしっかり利益を稼ぎ出せているかなどさまざまな指標のバランスの中で会社を見ることが大切
05 倒産や上場廃止のリスクはここに表れる
- 上場とは証券取引所に株式を公開して、お金を集めることを意味する
- 各証券取引所には上場廃止基準が設定されている
- 株主の数が少ない
- 売買高が少ない
- 決算期末に債務超過となり、1年間その状態が続く
- 会社が公表している財務諸表は全て、今後も会社が永続的に事業を続ける前提で作られている
- 危ない会社は財務諸表などに「継続前提に重要事項」「継続前提に疑義注記」と記載されている
- 四季報では「材料欄」で必ず言及する
- 上場廃止の理由の8割は企業再編
- ほかの会社の買収、親会社による完全子会社化では、株式交換や株式公開買付(TOB)が一般的
- 上場廃止が決まると整理銘柄に指定される
06 格付けもチェックしておこう!
- 格付けは会社の信用を一目で表したもの
- AAA, AA, A, BBB, BB, B, CCC, CC, C, D
- BBBまでが投資適格
07 金融機関の安全性はここを見る
- 金融機関は「銀行法」「金融商品取引法」「保険業法」など金融庁から独自の経営指標によって財務内容の健全性を維持することが求められている
- 経営破綻などをした時の社会的影響が大きいから
- 【財務】に記載
- 銀行は「自己資本比率」が重要。国際統一基準行は8%以上、国内基準行は4%以上。これを割り込むと金融庁による早期是正措置が発動される
- 「不良債権」も重要。貸出金が回収不能になったら全額損失。不良債権は、絶対額だけでなく、総資産や貸出金量に占める比率も重要
- 不良債権が多くても、引当金や担保部分でカバーできていれば大きな問題は発生しないから
- 国から資本支援(公的資金注入)を受けている点も確認したい。優先株などで資本を受け入れれば自己資本は厚くなるが、転換期限を迎え普通株になると、その後企業行動が制約を受ける場合がある。【特色】に記載している
- 生命保険会社などはソルベンシー・マージン(SM)比率を見る。【財務】に「支払余力比率」として記載されている
- 大災害など、予想を超えるリスクに対応できる保険金支払い能力を表す
- ソルベンシー・マージン総額÷(リスク合計金額×1/2)
- SM比率の分水嶺は200%で、下回ると早期是正措置が発動される
- 証券会社では【財務】に「自己資本規制比率」を記載している。自己資本の額から固定資産等の額を減算した、いわゆる固定化されていない自己資本を、保有有価証券の変動リスク等の相当額で割った指標で、この指標が140%を割り込むと内閣総理大臣への届け出が必要。120%を下回ると業務改善命令、100%を割り込むと3ヶ月内の期間に渡り業務の全部もしくは一部停止の対象となる
読んでいる本
- 作者: 会社四季報編集部
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2015/06/12
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株で勝つ! 会社四季報超活用法 第2章
株で勝つ! 会社四季報超活用法
第2章 基本のキホン 会社のことを知るには?
01 証券コードは会社の背番号
- 上場する際に証券コード協議会によって4ケタの証券コードが割り振られる
- もともと証券コードは業務内容に基づいて番号が定められており、下二桁が「01」の会社はその業界の代表的な会社や老舗企業が多く「01銘柄」と呼ばれる
- ただ最近は新しい業種の企業も増えてきているので当てはまらない場合もある
02 ここを見れば会社の強みが1秒でわかる
- 【特色】欄が便利
- わずか2行でその会社の特徴と主要な事業、業界内での地位やシェア、系列、企業グループなどをコンパクトに解説している
03 連結事業で収益の柱をチェックしよう
- 収益柱の事業をチェックするには【連結事業】を見る
- 事業、売上高、営業利益率の順番で載っている。海外売上比率、決算期も載っている
- ライバル会社との比較にも便利
04 上場市場や本社も大事な判断材料
- 【設立】【上場】は大事に情報。古く残り続けている会社は地力が強い
- 【本社】がどこにあるかも大事。企業によって特色がある
- 店舗数なども表示している。過去の四季報と見比べると拡大しているのか縮小しているのかが分かる
05 従業員数から優良企業を見つける方法
- 従業員数も重要な情報。売上高や営業利益を従業員数で割ると一人あたりの売上などが見えてくる
- 平均年齢も大事。若いほど活力があるなど
- 年収は同業種の中で比較するとよい
06 取引銀行で企業グループがわかる
- 【銀行】欄で取引銀行がわかる。メインバンクがはっきりしない企業は経営不振などの懸念がある
07 幹事証券や監査法人もチェックしておこう
08 誰が会社を支配しているのか?
- 【株主】欄には大株主上位10名が載っている
- 「カストディアン」という証券管理業務に特化した信託銀行が多くの会社で上位株主として連ねている
- 実際には裏に機関投資家がおり、株価上昇や配当に対するプレッシャーが強い
- 短期間で株を売買する可能性もあるので注意
09 社長の名前くらいは知っておこう
- 【役員】欄に社長以下の役員の名前を記載
- 社長交代の有無、どのように選ばれたか
- 役員が同じ名字などは同族経営なので注意
10 仕入先や販売先のチェックも忘れずに
- 【仕入先】と【販売先】に主要な取引先を記載
- 優良企業が並んでいたら安心かもしれないし、不安な企業がいたら注意が必要
- 株式市場では「連想買い」がよく行われる。ある会社の株が上がったら関連する企業の株も上がる
- この欄をチェックしていると「連想」の幅が上がる
読んでいる本
- 作者: 会社四季報編集部
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2015/06/12
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株で勝つ! 会社四季報超活用法 第1章
株で勝つ! 会社四季報超活用法
はじめに
- 株式投資の魅力は株価の上昇による値上がり益(キャピタルゲイン)と配当(インカムゲイン)、株主優待などを得られること
- 株式投資に成功している人に共通しているのが、リスクをできるだけ小さくするよう最新の注意を払っているということ
- 提案1 好業績で割安の銘柄に中長期で投資する
- 提案2 個人投資家は大型株は避けて中小型株で勝負
- 提案3 業績を上方修正しそうな☺銘柄を選ぶ
- 四季報は時代に合わせて進化している
第1章 最初に見るべきは、どこ?
01 四季報予想はこうして作られる
- 業界担当者が独自取材で業績を予想している
- 会社計画にはクセがある
- 例えば電子部品メーカーの場合、納入先の電機メーカーが新発売した携帯端末が大ヒット。今期は大幅な増収増益になる見込み。ただ、自社が大儲けするという業績計画を開示すると納入先から値下げ要請を受ける可能性がある。なので弱気な会社計画をだす
- 一方激しいシェア争いをしている企業の場合、今期に出す新商品が大ヒットする前提の会社計画を開示して社内を鼓舞すると同時に話題作りをする場合がある
- 会社計画の3分の1が四季報予想と乖離する
02 全社カバーは「四季報」と「会社情報」だけ
- 3ヶ月に1回すべて見直す
- 四季報はシェア8割
03 業績予想の根拠は「業績欄」をチェック!
- 最も注目されるのは業績予想、その予想数字を作った根拠を短い文章で説明しているのが「業績欄」
- 業績予想の裏付けが分かる
04 会社の業績と勢いがひと目でわかる
- 業績欄の見出しを見よう。大きく2つの基準がある。過去実績との比較。前号との比較
- 株式投資では期中の業績見通しの変化が株価に大きな影響を与える。また配当の増減も同様。どちらも見出しで記述している
05 会社の課題がすぐわかる
- 「材料欄」で会社の成長力や課題を読み取る
- 数年先の収益力に影響を与えるトピックスや会社が取り組んでいる課題、経営目標、株式需給動向などを記述している
06 プロは「四季報」をどう活用しているか?
- ある個人投資家は3回読む。1回目は欄外にある☺マークや前号比修正矢印と見出しをチェックし気になる銘柄に付箋。2回目は業績数字を点検して銘柄を絞り込む。3回目は付箋の銘柄の記事をじっくり読み、株価チャートを見て投資すべきか検討する
- 見出しには【絶好調】など特に評価が高いものを見る
07 「四季報」各号の賢い使い方
- 年4回発売される
- 6月発売の夏号。5月までに出揃った前記決算を掲載
- 9月発売の秋号。4~6月の第1四半期決算
- 12月発売の新春号。4~9月の第2四半期決算。サプライズが多くなりやすい
- 3月発売の春号。4~12月の第3四半期決算。来季の動向
読んでいる本
- 作者: 会社四季報編集部
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本音の株式投資 人気ストラテジスト直伝 終章
本音の株式投資 人気ストラテジスト直伝
終章 本音で語る世界経済の行く末
円安が進む? 円高に戻る?
- 今後の世界経済について
- トランプ氏当選直後は米国市場で金利と株価が上昇した。為替市場ではドル高・円安になり日経平均も大きく上昇した
- 日米金利差の拡大が原因。黒田総裁も金融緩和を継続すると表明。日本の金利は今後も0%に抑えられると予想。米国の金利が上昇して円安が進み、日本株にもプラスと考えられる。ただし、そう順調に進むとは考えにくい
- 一般的に日米金利差が拡大すると円安が進む。今後も米国の金利が上昇するかがカギ
- 名目金利=①期待実質経済成長率+②期待インフレ率+③リスクプレミアム
- ①は景気刺激策が実行されると米国内の消費や投資が増えて米国経済は活性化される
- ②は経済が活性化されるとモノやサービスの値段が上がりインフレ率が上がる
- ③はトランプ氏の政策から、1年間で財政赤字を2倍に膨らませる計算になる。リスクプレミアムが高くなる可能性がある
- 以上3つの項目を見ると、政策を実行しさえすれば成功・失敗どちらに転んでも名目金利は上昇するので円安が進むという考え
- 一方円高に進む考えもある。トランプ政権に対する期待の低下が原因
- インフラ投資はそこまで行われないという専門家の指摘。トランプ氏当選以降の金融市場は短期思考の投資家によって買われた面が大きい
- ①や②も下がり、財政リスクは緩和されると③はそれほど上昇しないだろう
米国の保護貿易主義も円高要因になりうる
- 米国経済を強くして国内の雇用を増やすことが大本命
- そのためには為替レートの水準や自動車などの貿易面で日本に圧力をかけてくる可能性は高い
- 1991年のように、金利差が拡大しても円高になることはある
- 市場が金利や金融政策よりも政治要因を重視すると、日米金利差と為替レートの関係が崩れることもある
- 米国は保護主義を掲げている。日本とって逆風だろうか?
- 「米国でモノを売りたければ米国内で作れ。さもないと関税をかける」
- 「効率化」と「コストダウン」は日本の得意とするところ。中長期的には日本企業にチャンスになるはず
最悪シナリオは円の独歩高
- 世界的に経済不確実性が高まっている
- 欧州での政治不安が高まる可能性がある。2016年のブレグジット、トランプ氏の大統領当選に続けて、欧州で反グローバル化などのポピュリズム(大衆迎合主義)がさらに高まることが心配されている
- 中東・南シナ海の地政学リスクもある。トランプ大統領がイスラム圏の7カ国からの入国を規制するようにし、中東の地政学リスクが増した
- もし中東情勢が一触即発となれば原油価格が急騰して正解経済に打撃となる
- 米中関係も気がかり。もし南沙諸島で米中が武力衝突するようになると地理的にも近い日本に悪影響
- 日本は経済的に安定しているので経済不確実性は高くない
- これまでもリスクオフの局面では円が買われてきた
- そうなると円の独歩高という最悪のシナリオに。1ドル100円割れ、円高による日本経済の業績悪化、日経平均の落ち込み
- 中国リスクはそこまで心配していない。経済規模が大きくなったのだから成長ペースが鈍るのも当然
- 中国は「中国製造2025」を掲げている。中国の製造業を量から質に、10年後に日本・ドイツ並を目指す
終わりに
- 著名ストラテジスト「株式投資において何より大事なのは、市場から退場しないこと」
- 長く市場に居続け投資を継続するために本書が役に立てば
- 「ROEの本当の意味」「外国人が勝った株の本当の姿」などは時間が経っても変わらぬ心理
読んでいる本
- 作者: 井出真吾
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2017/04/11
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本音の株式投資 人気ストラテジスト直伝 第7章
本音の株式投資 人気ストラテジスト直伝
第7章 「賢い指数」は本当に儲かるか
スマートベータ(=賢い指標)とは
- スマートベータが注目されている
- ベータ=TOPX(東証株価指数)や米S&P500など株価指数の収益率(騰落率)
- アルファ=指数の収益率との差分
- ある期間の株価指数の収益率が10%、ファンドの収益率が12%ならベータ=10%、アルファ2%
- TOPIXとは何が違うのか
- スマートベータはアクティブファンド?そう
- ただ、通常のアクティブファンドはアナリストの予想などに基づいており人の手が入っている
- スマートベータは予め決められたルールに基づいて決定されるので、より科学的にTOPIXに勝つことを目指したアクティブファンド
なぜスマートベータは登場したのか
- TOPIXの問題点
- 近年株価が大きく上下することが多くあり、個人投資家の中では「株式投資をやめるわけにはいかないが、ポートフォリオの値動きを抑えたい」と考えるようになった
- 通常のアクティブファンドへの不信感も高まってきた。スマートベータの方がより安い手数料で似たような運用を実現出来ると考えられている
スマートベータにはどんな種類があるのか
- 「バリュー」「高配当」はほぼすべての指数会社が提供している。その他にも様々な指標がある
- 今後も各社がしのぎを削って新たなスマートベータが登場するだろう
- スマートバリューは金融商品だが、現在は信託銀行や投資顧問会社が機関投資家向けに提供するものがほとんど。しかし個人が利用可能なETFなども増えてきている
スマートベータがTOPIXに勝つメカニズム
- 実際の数字を見てもTOPIXに比べて低リスク高リターンであることが実証されている
- 様々な指標を元に構成比率が考えられている
- TOPIXではその時点の時価総額で構成比率が決定するので、増減した時価総額に応じた構成比で翌日も運営される。個別銘柄の株価が変化しても特段の売買は発生しない
- 一方スマートベータでは、バリュー指数や売上高を元に構成比を決定しているため、リバランスを行う必要がある
- 株価上昇で値上がりした銘柄の一部を売却し、値下がりした銘柄を買います。つまり利食いとナンピン買いを同時に実行している。しかも機械的に
スマートベータと上手に付きあうために
- スマートベータが完全にTOPIXに勝てるかというとそうでもない。市場が大きく動く場合は一時的にTOPIXが上回る
- 付き合い方のコツ
- 5年、10年は付き合うこと。バリュー指数に10年間投資していたら「年率5.2%」の超過リターンを99%の確率で獲得できた
- 今あるファンドはそのままでよい。ファンドの売却と購入にはコストがかかる。わざわざ乗り換える必要があるか考えよう
読んでいる本
- 作者: 井出真吾
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